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Gombessa

植物や昆虫などの生物は和名を表記するように心掛けている。そして、同定については「当たらずといえども遠からず」を目標にしている。

オニヤンマのメス探しが始まった

2020年8月7日は、オオルリボシヤンマ(大瑠璃星蜻蜓)の産卵、珍客ショウジョウトンボ(猩猩蜻蛉)の登場と観察甲斐があった。
 そして、オニヤンマ(鬼蜻蜓)のオスたちの、メスの産卵場所となるの水路に沿って探雌飛翔が見られるようになった。

 探雌飛翔では複数のオスが同じような場所でメス探しをしているので、鉢合わせすると縄張り争いの空中戦が始まる。と、同じようなことを繰り返していた。




画像 1 翅休めをするオニヤンマ ♂  


 オスも疲れるのであろう頻繁に止まる。そんな姿は容易に撮影できる(画像 1 ~ 3 )。
 



画像 2 オニヤンマ ♂ 8月11日 




画像 3 オニヤンマ ♂ 8月14日 


 パトロールする縄張りで翅休めをするのだが、別オスが侵入してくれば疲れた身体に鞭打って緊急発進して追尾駆逐飛行を開始する。己の子孫を残すためとはいえ、オスには辛いものがある。

 記録が不確かで、何日のことだったか不明だが、水面ぎりぎりにそっと飛んできた個体があった。その個体は産卵を始めたのでメスであった。
 また、探雌飛翔がいつまで観察できたかの記録も定かでない。現時点で、8月14日のオスの翅休めまでしか記録を確認できていない。





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珍客 ショウジョウトンボ

2020年8月7日、ショウジョウトンボ(猩猩蜻蛉)のオスを目撃。既にネキトンボ(根黄蜻蛉)が赤色に色付いていたが、そのネキトンボに混じってショウジョウトンボが登場していた。




画像 1 ネキトンボにしては違和感がある 


 1週後の8月14日、午後になって横姿を撮影する機会があった。見るからに違和感もなくショウジョウトンボである。




画像 2 ショウジョウトンボ ♂  




画像 3 ショウジョウトンボ 腹部挙上姿勢  


 前年の観察とこの年の今までの観察から、ショウジョウトンボは何かの理由で飛来してきた珍客であると推測した。
 山の湿地の夏は涼しいのでヒトに限らず飛翔能力のある蜻蛉もどこからとなく涼を求めてやってくるのだろうか。

   ---   参考
 2018年11月7日に大宝恵カテゴリーに「ネキトンボは連結打水産卵」を書いた。その中に、ネキトンボとショウジョウトンボの簡易識別法と違いについてを記しておいた。




オオルリボシヤンマ 産卵が始まる

2020年8月7日、気になっていたオオルリボシヤンマ(大瑠璃星蜻蜓)の産卵が始まっていた。
 何故気になったかというと、7月2日から羽化殻(うかかく)を見るようになった。羽化していることが判ったので成熟途中の成虫の姿を探していたが、修行不足で成熟途中の姿は確認できなかったからである。




画像 1 オオルリボシヤンマ 羽化殻 7月2日 




画像 2 オオルリボシヤンマ 羽化殻 7月2日  


 メスの産卵が先か、オスの探雌飛翔(メス探し)が先か判らないが、直前の8月3日まではオオルリボシヤンマの姿はなかった。それが、7日は探雌飛翔のオス達が賑やかだった。そして、産卵も3箇所で確認した。




画像 3 オオルリボシヤンマ ♀ 産卵中  




画像 4 オオルリボシヤンマ 産卵中  




画像 5 オオルリボシヤンマ 夕方でも産卵  


 8月19日のことだが水位が下がっていたので産卵場所が少なくなっていた。水位が下がり、水際になった泥の上の落枝が産卵場所のひとつだった。




画像 6 1本の落枝で2匹のメスが産卵  




画像 7 画像 6 と同じメスたち  


 オオルリボシヤンマの産卵が始まったが、8月になっても新たに発見する羽化殻から羽化が続いていること判った。まだ1箇月以上オオルリボシヤンマの天下は続くのであろう。




画像 8 草に残った羽化殻 8月3日  




画像 9 樹木に残った羽化殻 8月7日 


 カメラの能力、撮影者の技術の夫々が不足しているので探雌飛翔のオスは撮影できないでいる。
 よく停飛するので条件が合えば撮れそうな気もするのだが……。



定住アカネ属 コノシメトンボ

2020年8月3日、若いコノシメトンボ(小熨斗目蜻蛉)の姿があった。
 直前に山の湿地を訪れたのが7月20日。天候などの諸事情で2週空いてしまったが、ネキトンボ(根黄蜻蛉)に続いてコノシメトンボが登場していた。

 コノシメトンボは、昨年(2019年)の8月10日から山の湿地へは通い始めた時には既に登場していて、10月の産卵まで確認した。それらのことによりこの湿地の定住蜻蛉と推測できた。
 2020年は羽化の始まる日を確認するつもりでいたが、2週間のブランクの間に既に羽化が始まっていた。7月の下旬なのか、8月の上旬なのか、見極めは次シーズンの課題として引き継ぐしかなくなってしまった。



画像 1 コノシメトンボ 未成熟♀  




画像 2 コノシメトンボ 未成熟♂  


 コノシメトンボはいわゆる赤とんぼの仲間。この山の湿地で見られるアキアカネ(秋茜)、ネキトンボ(根黄蜻蛉)の仲間で、トンボ科アカネ属の蜻蛉。
 オスの場合、成熟するのに従い赤色に色付いてくる。



画像 3 8月14日、色付き始めてきたオス  


 8月14日に、色付き始めてきたオスがいた。成熟する頃には胸側までが赤色に色付く。なお、メスは色付かない。


   ---   参考
 コノシメトンボは同属のノシメトンボ(熨斗目蜻蛉)に比して若干小さいので「小熨斗目蜻蛉」と呼ぶそうだ。「ノシメ」は翅端の褐色斑が、「熨斗目」を連想したことによるという。
 蜻蛉の世界では翅端の褐色部や黒褐色部を「ノシメ斑」と呼ぶ。マユタテアカネ(眉立茜)の一部のメス、リスアカネ(りす茜)などにもノシメ斑がある。

 「熨斗目」と「熨斗」別物。熨斗(のし)は祝い物や進物で馴染み深いが、熨斗目(のしめ)は洋装の現在は何のことか理解しがたくなっている。
 武士の裃などの下の着物・小袖の腰部分の色変わりなどの模様のこと。半世紀も前のナショナル時代劇、「大岡越前」のビデオでも見れば、一目瞭然。劇中の大岡忠相の小袖に熨斗目模様が目立っている。




色付いたネキトンボ

2020年7月20日、突然のように赤色に色付いたネキトンボ(根黄蜻蛉)が登場していた。もう成熟しているのだろうか。
 山の湿地へは昨年(2019年)の8月10日から通い始めた。そして、8月11日がネキトンボの初見で、その時も、体色が赤色に色付いた個体がいた。なお、その時は体色が赤色に色付いた個体だけでなく、体色が未熟な若い個体たちも目立っていた。
 
 ネキトンボはトンボ科アカネ属の蜻蛉。アカネ属なので、いわゆる赤とんぼの仲間。そして、基本的に幼虫越冬することが知られている。
 どこで羽化したかは未確認だが、アカネ属の蜻蛉として、アキアカネ(秋茜)に次いで2種目の登場であった。
 



画像 1 着地したネキトンボ ♂  




画像 2 着地後翅を下ろしたネキトンボ ♂  


 日は変わり、8月11日のこと。椿事に遭遇したので記録しておく。
 アキアカネたちにはいつもカメラを占拠されていたが、その日は、ネキトンボにカメラを占拠されてしまった。
 ネキトンボはヒト嫌いで、ヒトの動きを察すると、高い枝へと移動してしまう。ところが、この個体はヒトの傍らのカメラに止まり、近接用のカメラが近付いても逃げることはなかった(画像 3 、画像 4 )。




画像 3 8月11日、カメラを占拠したネキトンボ ♂  




画像 4 ネキトンボ ♂  


 ネキトンボは樹上の枝先に止まるので見上げるような画像が多くなってしまうが、背の低い木の先端に腹部挙上姿勢で止まる個体に遭遇。
 腹部挙上姿勢は、日光からの暑さ対策ともいわれている。脚下の枝が翅の基部の影になり黄色になっていた。ネキトンボの翅の基部の黄色が「根黄」の謂れといわれている。




画像 5 ネキトンボ ♂  


 雌の画像は別の機会に。





   ---   Memo
高い枝先
羽化殻

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