忍者ブログ

Gombessa

植物や昆虫などの生物は和名を表記するように心掛けている。その、同定については、「当たらずといえども遠からず」を目標にしている。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

歩き始めにコツバメが・・・ ビロウドツリアブの交尾

2023年3月20日。やっとコツバメ(小燕)の撮影に成功。コツバメがいることは、前年の3月に蝶探索の方に伺い知った。コツバメは山地の観察地で見たことがあるが、この観察地では初めての蝶。なので、このカテゴリ、成虫越冬3種の探索中に記録しておきたい思っていた。
 しかし、早春の蝶ミヤマセセリ(深山挵)は3月上旬から確認していたが、やはり早春の蝶コツバメは確認できずにいた。

 この日は現地到着時間が遅くなってしまったので、気がせいていた。時刻的なことなのか、到着時には前日よりも暖かだった。
 飛ぶ姿が黒色に見える蝶が飛んでいるのが見えた。前日はミヤマセセリで日の当たる地面に止まった。本日も黒色に見える蝶が飛んで来たが、足元を通過するときに翅表の紫色が見えた。もしや、と思い姿を追うとカラスノエンドウ(烏野豌豆)(*1)に止まった。



画像 1 この観察地で初めてのコツバメ 2024.04.23画像貼付

 ファインダを覗くと、待望のコツバメだった。カラスノエンドウが気に入ったとみえて、止まる株を時々変えながらカラスノエンドウに執着していた。何やら吸蜜しているような止まり方だった。
 カラスノエンドウは花は見えないが、コツバメは口吻を伸ばしていた。近日中は咲くだろう小さな蕾に口吻を押し込んでいたのかもしれない。カラスノエンドウの隣にはホトケノザ(仏の座)が咲いているが、ホトケノザには止まらなかった。
 カラスノエンドウの小さな蕾に口吻を押し込んで吸蜜できたか、できなかったのかは定かでないが、ふいと飛び上がった。行方を眼で追うと、隣接する平らに着地した。平らはスギなどの落葉が敷き詰めたように残っていた。そして、日が当たり暖かそうだった。
 歩き始が遅れているので、コツバメを追いかけ回す事なく、先へと進んだ。

 歩き始めるとすぐに、異様に長細い生物が飛んでいた。ビロウドツリアブ(天鵞絨吊虻)に似た虫だ。
 地面に降りたのでファインダを覗く。どうやらビロウドツリアブが2匹で連結。よくよく見れば、尻合わせだ。
 初見、ビロウドツリアブの交尾であった。体位(?)の尻合わせが奇異に思えたが、よく目撃する鱗翅目の交尾も尻合わせのようだ。双翅目の交尾体位は後背位だけと思い込んでいたが、別の体位があることを知った(*2)。
 撮影が済んたと同時にビロウドツリアブの雌雄は交尾を解除。離れ際が素速かった。互いに反対方向に一直線に飛び去った。まるでジェット噴射のように思えた。ビロウドツリアブと言うとホバリングのイメージが強いので、交尾解除後の飛行速度に驚いた。
 ビロウドツリアブの交尾は、もう一組見た。それは、ホソミイトトンボ(細身糸蜻蛉)の摂食場所でのことだった。

 本来の目的、成虫越冬3種の探索はたいした成果はなかった。ホソミイトトンボが2個体だけであった。
 それでも、天気が心地よかったので、池畔に座り、午後の静寂を嬉しんできた。ところが、ウシガエル(牛蛙)の鳴き声が聞こえてきて興ざめしてしまった。



*1 カラスノエンドウは通称。和名はヤハズエンドウ。漢字表記は矢筈豌豆。同じマメ科ソラマメ属のスズメノエンドウ(雀野豌豆)に対して大きいので、カラスノエンドウと呼ぶ。
 カラスノエンドウとスズメノエンドウに関連して、カスマグサ(かす間草)もある。大きさがカラスとスズメの間に由来するとのこと。「か」と「す」の間と言うことで、カスは漢字表記がなく平仮名表記となっている。

*2 双翅目昆虫の交尾体位。原始的な双翅目は反向型体位(反向型交尾体位)。そして、高等双翅目は雄上位型体位(雄上位型交尾体位)が一般的とのこと。ビロウドツリアブの尻合わせは反向型体位ということになる。また、文中に後背位と記述したが、ヒトと違い昆虫は雄上位型体位ということになる。




PR

コメント

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

フリーエリア

最新コメント

プロフィール

HN:
権兵衛
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

P R

忍者アナライズ

カウンター