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Gombessa

植物や昆虫などの生物は和名を表記するように心掛けている。その、同定については、「当たらずといえども遠からず」を目標にしている。

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撮りそびれたギンヤンマ

画像がないのだが、2020年8月11日、暑いと感じた山の湿地にギンヤンマ(銀蜻蜓)の集団が登場した。「2階建て」高気圧で猛暑続くと騒がれ、地上では最高気温が40℃を超えた日のことであった。

 止水の上を飛び回り、集団見合いをしていた。眼の届く範囲にギンヤンマ好みの産卵基質はほとんどない。それでも、夕刻になるまでメスを連れ去り樹上で交尾する姿を目撃した。

 実際のところ、この8月11日は他種の観察が忙しくて、突然に現れたギンヤンマの集団を奇異に思ったが、観察は二の次になってなってしまった。
 普段の野周りフィールドでいくらでも見られるギンヤンマゆえに観察順位を下げてしまった。ところが、これが裏目に出てしまった。
 次に訪れた8月14日以降はギンヤンマの姿を見ることはなかった。なお、8月11日の直前の訪問は8月7日だったが、5月8日から通い始めて、ギンヤンマの姿を見たことはなかった。
 
 この稿の執筆している時点では既に2021年の観察地の探訪は終わっている。記録の整理も出来ていないが、前年にギンヤンマは惜しいことをしたので注意深く監視していた。
 全くの偶然なのだが、2021年も8月11日に山の湿地を訪れた。そして、少数個体であったがギンヤンマを目撃した。それも、後にも先にも見ることが無く、同日だけの幻のようなものであった。





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オスしか見えなかったオオアオイトトンボ

 2020年10月2日、老熟したアオイトトンボ(青糸蜻蛉)に混じり、成熟したオオアオイトトンボ(大青糸蜻蛉)の姿があった。
 アオイトトンボもオオアオイトトンボも同属で、共にアオイトトンボ科アオイトトンボ属。




画像 1 オオアオイトトンボがいた ♂ 




画像 2 成熟しているオオアオイトトンボ ♂ 第10腹節が白色 


 画像 1 、画像 2 の個体とも、水際でメス待ちをしていた。




画像 3 参考・老熟したアオイトトンボ ♂  


 画像の時系列が逆になってしまうが、この日はアオイトトンボも健在だった。

 オオアオイトトンボとアオイトトンボ、一見紛らわしい。成熟時の複眼の色が違うとか、第10腹節だけが白くなるか第9、10腹節が白くなるなどの違いがある。が、大きな違いは成虫出現時機と、産卵基質ではないだろうか。

 2020年の記録でも、この稿の執筆時の2021年観察においてもメスの姿や産卵を確認していない。メスの発見や産卵の目撃があれば、オオアオイトトンボも定住蜻蛉として記録できる。
 オスだけがメス探しにやってきたのか、この場所で繁殖しているのかの答えは来年以降の観察次第である。




残念だったミヤマサナエ

 ミヤマサナエ(深山早苗)という蜻蛉の存在を知ったのは2019年の8月、この山の湿地での出遭いがあったことによる。
 ミヤマサナエは書籍「日本のトンボ」(文一総合出版)によると、『【生息環境】平地~山地の河川中・下流域。成虫は砂泥底の堰の周辺を好む』とあり、また、『【備考】国内では本州~九州にかけて広く分布するが、発生地はやや限られる。成虫は大きな分散性があり、未成熟個体は山頂付近でもよくみられる(和名の由来)』ともある。
 2019年8月に出遭った個体は、この山の湿地で羽化したものでなく、何処かの河川で羽化したものが登ってきたということになる。

 出遭い後に調べて、そんなことが判ったので、山中を探索してみたがミヤマサナエの姿は見い出すことができなかった。

 そして、2020年。山の湿地を訪れる度に、気にして姿を求めた。が、しかし、ミヤマサナエの姿は見い出せなかった。
 そんなことが続いていたが、8月11日に水死寸前のオスを発見した(画像 1 )。


 

画像 1 ほぼ水没しているミヤマサナエ  

 無い知恵を絞り、四苦八苦しながら、水から掬い上げた。そして、潰さないように持ち歩き、下山前に簡易記録の撮影をした(画像 2~3 )。




画像 2 ミヤマサナエ 翅の様子  




画像 3  体長測定 オスだった。腹部第7~10節の腹面は黒色  


 2019年の初見時は同定に苦労した。今となっては何が決めてだったか判らないが、メガネサナエ属でもなく、ホンサナエ属でもなく、ミヤマサナエ属と同定した。
 その時、ミヤマサナエの腹部第7~10節の横に広がっている部分の腹面は黒色ということを知った。が、初めての出遭いの時は、また遇えるだろうと思い、画像 4 のような撮影しかしなかった。
 そんなことを憶えていたので、画像 3 では「腹部第7~10節の横に広がっている部分の腹面は黒色」を意識して撮影した。

 結局、2020年はこの記事の水死寸前のオスを確認しただけで、この後はミヤマサナエの姿は見い出せなかった。
 2019年の出遭いに始まり、山の湿地で確認した唯一のサナエトンボ科のミヤマサナエの羽化地が気になっている。山の湿地での観察とは別に、羽化地の探索も新たな課題である。




画像 4  参考画像 2019年の出遭い  


 最後に、登場する機会も無いかもしれないので、2019年8月17日の出遭いの画像を貼っておく。




記憶だけのミヤマアカネ

「山の蜻蛉紀2020」で山の湿地での2020年に確認(記録撮影)した蜻蛉を初見日順に記してきたが、ミヤマアカネ(深山茜)が初見順から漏れてしまった。記録の不備でミヤマアカネの画像データが見つからないのである。
 ミヤマアカネは2019年と2020年の観察から、この湿地の定住蜻蛉ではなく、何かの理由で飛来してきただけの蜻蛉である。と、推測している。

 推測の根拠は以下による。
 別の観察地のことだが、低標高ながらアキアカネ(秋茜)の越夏地があり、アキアカネの群れの中でナツアカネ(夏茜)とともに過ごすミヤマアカネを確認している。個体の都合で避暑をするのだろう。
 また、この山の湿地では、2019年8月に1例1匹だけ(画像 1 )。2020年は記憶頼りだが、2例3匹だけの確認であった。確認数が少なすぎる。




画像 1 ミヤマアカネ 未熟♂ 2019年8月17日  

 以上のことから、ミヤマアカネは飛来してきただけの蜻蛉である。と、推測した。
 ただ、2020年の2例目が交尾・産卵だった。今年(2021年)の観察で、羽化個体、未熟個体や羽化殻でも発見できれば興味深いものがある。

 参考記録として、2019年のマユタテアカネ(眉立茜)の画像も貼っておく(画像 2 )。10月5日に確認した山の湿地で最後の初見種である。その日に雄を2匹確認した。
 なお、2020年は10月21日まで足を運んだが、一度もマユタテアカネの姿を見ることはなかった。
 マユタテアカネも何かの理由で飛来してきただけの蜻蛉であったのであろう。




画像 2 マユタテアカネ 成熟♂ 2019年10月5日  

 2020年のミヤマアカネの画像が発掘できたら、追加で貼るつもりでいる。

   ---   2021年7月13日追記 オオシオカラトンボも目撃
 断片的な記録を眺めていたら、2020年7月2日にオオシオカラトンボを目撃していた。このオオシオカラトンボも何かの理由で飛来してきただけの蜻蛉であったのであろう。その後は姿を見ることもなかった。





意外だったクロイトトンボ

 8月19日、クロイトトンボ(黒糸蜻蛉)のオスを目撃した。




画像 1 クロイトトンボ 成熟したオス  

 イトトンボ科クロイトトンボ属のクロイトトンボはどこにでもいる糸蜻蛉。どこにでもいるといっても、浮葉植物や沈水植物が繁茂する環境が好みということになっている。果たして、この山の湿地の何処かに好みの環境でもあるのだろうか。

 目撃例が♂1匹だけである。推測だが、冒険心の強い個体が新天地と雌を求めて旅してきただけかもしれない。前年(2019年)はクロイトトンボの姿は見ていなかったので、意外に思えた発見であった。





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