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Gombessa

植物や昆虫などの生物は和名を表記するように心掛けている。そして、同定については「当たらずといえども遠からず」を目標にしている。

マルバヤハズソウ

このフィールドには、今年の春から足を運ぶようになった。
足元には、草丈30cmほどの立ち枯れした植物が目立った。草丈ついては実測した訳ではない。
茎が細く、葉の小さい植物。直感は、オオニシキソウ(大錦草)の冬枯れと思った。が、撮影した画像を見ると、葉の様子が、オオニシキソウとは違うようだ。
初めてのフィールドなので、立ち枯れした植物の見当は付かなかった。



画像 1 立ち枯れした植物 


そして夏になり、足元に、葉を付けたヤハズソウ(矢筈草)が目立ってきた。そこで、初めて、立ち枯れしていた植物が、ヤハズソウであったと気付いた。
概ね、土曜日ごとに、このフィールドを訪れているのだが、9月7日は雨天で観察に来られなかった。9月14日に訪れたとき、ヤハズソウが花を付けていたので、記録撮影をした。周りの株と比較すると、咲き始めのように思えた。
そして、別のフィールドのヤハズソウよりも葉が短いように感じた。



画像 2 マルバヤハズソウ  


帰宅後、撮影した画像を見て、別のフィールドのヤハズソウと花の雰囲気が違うことに気付いた。
まず、蝶形花の旗弁が違った。ヤハズソウの縦縞模様がなかった。
そして、葉は短く、幅広で、先端がやや窪んでいるものもある。
結局、ヤハズソウと思って撮影したものは、ヤハズソウではなく、マルバヤハズソウ(丸葉矢筈草)であった。

小さい植物は、現地での観察が苦手で、画像を見ての観察になりがちである。そして、今回のようなことが生じてしまいがちである。



画像 3 マルバヤハズソウ ・葉は短く幅広い 


マルバヤハズソウ(丸葉矢筈草)
マメ科ヤハズソウ属
Kummerowia stipulacea

その後も、このフィールドを訪れた際に観察をした。
その結果、ヤハズソウと、マルバヤハズソウが混生していることが判明した。
なお、画像 1の立ち枯れしたものは、現時点では、ヤハズソウだか、マルバヤハズソウだか判断できないままでいる。

このフィールドのヤハズソウと、マルバヤハズソウは、別記事で、観察記録を記録しておきたいと思っている。

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道端のスベリヒユ

萎みかけたスベリヒユ(滑莧)の花を撮影したので記録しておく。
1週間ほど前から、ごみ出しの際に、道端に黄色い小さな花が咲いているのに気付いた。
茎が地べたを這う様子と、黄色い小さな花が、「スベリヒユだよ」と語っているようだった。


画像 1 萎みかけたスベリヒユ(滑莧)の花 

朝のうちに開花を確認しておいた。夜が明けないような暗さの曇天だったが、スベリヒユの花は咲いていた。
今月初めての土日の連休。天候が好ければ、土曜日は川原。そして、日曜日は、丘陵地帯へ散歩に出掛ける。と、いう予定であったが、日曜日は雨天とのこと。予定が狂ってしまった。
1週前の日曜日は雨天で、丘陵地帯の散歩へ出掛けられなかった。そこで、スベリヒユの花を、7時台には撮影を済ませ、丘陵地帯へ散歩に出掛けるつもりでいた。
ところが、光量不足で、撮影できる雰囲気ではなかった。

フィールドでの一昨年の8月の観察経験によると、スベリヒユの花は午前中で消えてしまう。花が見られるのは、雨天や曇天なら、午(ひる)近くまで。晴天では朝のうちだけ。 
この9月に咲いているの気付いたスベリヒユは、8時台前半にはまだ開花していた。そこで、7時台の撮影を目論んだ訳だが、残念ながら、光量不足で、撮影できる雰囲気ではなかった。
撮影できないので、朝方の用事を済ませていた。突然、明るくなったので、撮影に出掛けてみた。10時近くになってしまったが、萎みかけてはいたが、どうにか咲いていてくれた。
撮影したスベリヒユの花径は、萎みかけた状態で、7mmほど。


画像 2 スベリヒユの蕾 


画像 3 地べたを這うスベリヒユ 


撮影結果は不満足であったが、とりあえず、スベリヒユの花は撮影できた。
後の予定は、丘陵地帯での散歩。
ところが、明るくなるのと同時に、気温も突然に高くなり、屋外に出る元気がなくなってしまった。
暑さのために、出掛けようとする気持ちが萎えてしまったのであった。


スベリヒユ(滑莧)
スベリヒユ科スベリヒユ属
Portulaca oleracea

和名を漢字表記にすると、「滑莧」。「滑り」はよいが、「莧」は見当が付かなかった。
「莧」は、訓読みで、「ひゆ」と読む、日本語の漢字とのこと。「艸」(くさ)が、冠(かんむり)になり、「艹」と、「見」(けん)で表す。
ヒユ科ヒユ属のヒユという植物の漢字表記が「莧」である。


2013.09.14 の記録

kiss me quick

十数年前、私の兄弟が持ち込んで、放置したままの壁掛け用の樹脂製の鉢がある。昨年の8月、マルバアサガオ(丸葉朝顔)の観察用の棚を作る際、邪魔なので処分することにした。
処分予定の廃棄品をひとまとめにした。そして、紫外線で樹脂が劣化した鉢もそちらに移動した。鉢の中には、元のものはとうに絶えてしまっていたのであろうが、未知の植物があった。
昨年の8月は日照りであった。日向に置かれた廃棄予定の鉢の中で小さな紅色の花が咲くようになった。どうやら、日照りに強い植物らしい。



画像 1 kiss me quick ・ヒメマツバボタン 


現物は、画像 1 のものとは比べようもないほど、鮮やかな紅紫色である。

四苦八苦して、Webで、植物名を調べた。
どうやら、Latin Name(学名)が、Portulaca pilosa L. 。Common Name(通称・米名)が、kiss me quick だった。

この鉢を1年間野ざらしで放置しておいた。今年の8月も日照りだった。花も咲かないので、さすがに枯れたものと思っていたところ、9月12日になって、突然のように花が咲いた。秋雨による降雨のお湿りにより仮死状態から蘇ったのだろうか。
また、鉢の中だけでなく、地面のコンクリートの隙間から生えたものも花を咲かせていた。昨年の種子が飛んだらしい。
そこで、我が家の kiss me quick の覚えとして、この記事に記録することにした。

昨年の8月に調べて、和名も解っていた。和名は、ヒメマツバボタンだった。

ヒメマツバボタン(姫松葉牡丹)
スベリヒユ科スベリヒユ属
Portulaca pilosa
別名 ケツメクサ、ケヅメグサ、マルバケヅメグサ
帰化植物である。
米名の kiss me quick は、まさに、名は体を表すの例えのようである。花は小さいが、艶かしさを感じてしまう。
原産地はアメリカ大陸とのこと。

なお、ヒメマツバボタンを調べた際、日本語サイトでは、原産地を熱帯アメリカとしているサイトが多く、南アメリカとしているサイトもあった。
私はネタ本を所持していないので、Webで調べるだけだが、http://en.wikipedia.org/wiki/Portulaca_pilosa に、「that is native to the Americas. Its range extends from the southern United States and the Caribbean as far south as Brazil.」という記述があった。
wikipedia の記述を信じれば、原産地はアメリカ大陸というのことになる。そして、その範囲は、米国の南部と、Caribbean。さらに、南は、ブラジルまで。といった感じだろうか。
英文の和訳はできないが、ここに記しておきたいことは、「southern United States」(米国の南部)が範囲に含まれるということは、一般的と思われる熱帯アメリカ (Tropical America)の範囲から外れているのではないかということ。

一般的と思われる熱帯アメリカ (Tropical America)の範囲は、Animals and Plants - Gladys Porter Zoo というサイトの記述によれば、
熱帯アメリカとは、最北端を除くメキシコ全域、全中米、及び南米の北側2/3の地域。と、ある。 原文の記述は、「Tropical America represents a region that includes all but the northernmost part of Mexico, all of Central America and the northern two-thirds of South America.」。
ということで、http://en.wikipedia.org/wiki/Portulaca_pilosa にあった「southern United States」は、一般的と思われる熱帯アメリカには含まれないことになる。

ヒメマツバボタンの原産地を熱帯アメリカとしているサイトが多かったので、余分なことを書いてしまった。
一般的と思われる熱帯アメリカの範囲については、別ブログの記事、「熱帯アメリカ」にも記してある。
なお、日本語の植物の世界での「熱帯アメリカ」には、その範囲について明確な定義がないようだ。「熱帯アメリカ」の表現は、誰かの造語で、使用については、その踏襲ではないかと思っている。



画像 2 花後  

画像 2では、萎んだ花の下には、膨らんだ子房が見える。

今年気が付いたのだが、生育環境によって茎の長さが変わり、葉の付き方が変わってくる。鉢の中のものは茎が短く、コンクリートの隙間から生えたものは茎が長く伸びている。


今年の花は、いろいろな都合で、まだ、撮影できないでいる。


アラゲハンゴンソウ 流れ着きしもの

川原にアラゲハンゴンソウ(荒毛反魂草)が1株だけ咲いていた。8月3日のこと、サボンソウよりも遠くに、黄色が目立つ植物を見出した。
近づいて見たら、アラゲハンゴンソウだった。 アラゲハンゴンソウは、花弁(舌状花)が黄色なので、多少離れた場所で咲いていても、眼を惹く花である。
このアラゲハンゴンソウ、花弁や茎に泥を被った痕跡があった。
花弁や茎の泥を被った痕跡は、7月26日以前のものと思える。今シーズン、この河岸を訪れ始めたのは7月27日から。それ以前に増水があり、泥水に浸ったのであろう。
と、いうのは、7月27日時点で、ビロードモウズイカ(天鷲絨毛蕊花)の根元付近に泥水を被った痕跡があった。他の観察植物は泥を被った痕跡が見られなかった。
そして、この、8月3日も他の観察植物には泥を被った痕跡が見られなかった。それにより、アラゲハンゴンソウは、7月26日以前から咲いていたということになるのであろう。



画像 1 アラゲハンゴンソウ ・花弁や茎に泥を被った痕跡 





画像 2 茎と葉の泥水を被った痕跡 



8月31日、サボンソウの近くに、新たにアラゲハンゴンソウを1株見出した(画像 3、 4)。茎の下部と、根元に近い葉には、泥を被った痕跡があった。
泥水に浸ったのであろうが、その後、無事に生育し頭花を開いたのであろう。
辺りを見回しても、ぽつんと1株だけだった。



画像 3 茎の下部と葉の様子 





画像 4 横姿・管状花は咲き終えた。右奥はコセンダングサ(小栴檀草) 



アラゲハンゴンソウ(荒毛反魂草・粗毛反魂草)
キク科オオハンゴンソウ属
Rudbeckia hirta var. pulcherrima
別名 キヌガサギク
原産地 北米大陸(※1) 

ぽつん、ぽつんと2株だけなので、上流から種子が流れ着いたものと推測した。そして、「流れ着きしもの」として、継続観察の対象とすることにした。
もっとも、園芸の世界では、ルドベキア・ヒルタ(アラゲハンゴンソウの学名の片仮名書きしたもの)の改良種などが出まわっているとのこと。
そんな訳で、このアラゲハンゴンソウが、北米大陸から渡来して帰化・野生化したものの子孫か、園芸種の子孫かは不明である。
まだじっくりと観察していないが、昨年、対岸で見たものよりも、毛が薄い(疎ら)のような気がしている。


アラゲハンゴンソウや、ビロードモウズイカは毛深いので、泥水を被ると痕跡が残りやすいのであろう。

※1 北米大陸の自生地については、USDA PLANTS の Rudbeckia hirta var. pulcherrima に詳しい。

2013.08.31 どんぶらこリスト追加の覚え

アラゲハンゴンソウ blackeyed Susan

アラゲハンゴンソウ(荒毛反魂草・粗毛反魂草)
キク科オオハンゴンソウ属
Rudbeckia hirta var. pulcherrima
別名 キヌガサギク
原産地 北米大陸(※1)  
米国別名 blackeyed Susan




画像 1 アラゲハンゴンソウ ・blackeyed Susan 


アラゲハンゴンソウの初見は昨年(2012年)の6月のこと。対岸の下流側で、ホソバハルシャギク(細葉波斯菊)の探索中のことだった。
オオキンケイギク(大金鶏菊)と並んで咲いている黄色い花が目に付いた。オオキンケイギクとは趣が違ったので、余計に目に付いたのかも知れない。単眼鏡を覗いても、オオキンケイギクとは別の花としか判らなかった。
気になったので、装備を改めて、観察に出向いた。総苞片・茎・葉と、毛深い植物だった。舌状花は黄色だが、管状花(筒状花)の花床が濃い茶色で、円錐形や半円形をしていた。管状花も黄色だが、小さいので目立たないようだ。
Webで調べたが、毛深いのと、頭状花の様子で、簡単に、アラゲハンゴンソウと判った。

生えていたのは、降水量が100mmを越えると立ち入り禁止になる所だが、通常の増水では冠水しない場所。流れ着いた種子が根付いたとも思えない。そんなことで、興味も湧かず、その後、継続観察をすることはなかった。
それと、この場所、犬の糞の多い所なので、肘や膝を着く植物観察には適さない場所でもあった。




画像 2 茎も葉も毛が目立つ 




画像 3 茎の開出毛。縦方向の溝も特徴か? 




画像 4 蕾・総苞片の毛の様子 




画像 5 蕾・総苞片の毛の様子 




画像 6 茎上部と、総苞の毛の様子 



年が変わり、今年(2013年)の4月。アラゲハンゴンソウのことは忘れていたが、オオキンケイギクの根生葉の様子を見に、10箇月ぶりに、対岸へ出かけた。こちら岸でも、4kmほど下流へ行くと、オオキンケイギクの観察はできるのだが、対岸の場所のようにはちょこっとは行けない。
オオキンケイギクの根生葉はしっかり成長していた。が、オオキンケイギクの観察よりも、枯れ残って、ドライフラワー化した果実の存在に心惹かれてしまった。



画像 7 枯れ残った果実 




画像 8 枯れ残った果実 


10箇月ぶりに訪れたので、夏以降の経過がまったく分からない。昨年あった植物のことを思い出し、枯れ残った果実の形状と、アラゲハンゴンソウの花床の形状が似ているように思われた。
また、茎の縦方向の溝も確認できた。それらのことから、枯れ残って、ドライフラワー化した果実はアラゲハンゴンソウであろう。と、推理した。
確認するためには、アラゲハンゴンソウの花後の変化を観察しなくてはならない。と、思った。

それから、4箇月。対岸へは一度も行っていない。そんな時、こちら岸で、明らかに流れ着いたであろうアラゲハンゴンソウの存在に気付いた。
そこで、事のついでなので、対岸の少し下流で見たアラゲハンゴンソウの記録を、「どんぶらこ」カテゴリの記事の覚えとして記しておくことにした。

画像 2 ~ 6 に写っているように、茎・葉・総苞片の毛が顕著である。
画像 2 、画像 5~ 6 に余分なものが写っているが、チガヤ(茅萱)の絹毛(綿毛)のようである。

米国の別名 blackeyed Susan について。
Susan は、何を意味するのか不明だが、女性名と思われる。blackeye は、花床の部分であろう。アラゲハンゴンソウをちょっと離れた所から見ると、小さな管状花の黄色が見えなくなる。ちょっと離れた位置から見た姿を blackeyed Susan になぞらえたものであろう。
管状花がすべて咲き終えた直後の舌状花だけ残った姿も、まさに、 blackeyed Susan と思われる。

※1 北米大陸の自生地については、USDA PLANTS の Rudbeckia hirta var. pulcherrima に詳しい。

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