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Gombessa

植物や昆虫などの生物は和名を表記するように心掛けている。その、同定については、「当たらずといえども遠からず」を目標にしている。

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kiss me quick

十数年前、私の兄弟が持ち込んで、放置したままの壁掛け用の樹脂製の鉢がある。昨年の8月、マルバアサガオ(丸葉朝顔)の観察用の棚を作る際、邪魔なので処分することにした。
処分予定の廃棄品をひとまとめにした。そして、紫外線で樹脂が劣化した鉢もそちらに移動した。鉢の中には、元のものはとうに絶えてしまっていたのであろうが、未知の植物があった。
昨年の8月は日照りであった。日向に置かれた廃棄予定の鉢の中で小さな紅色の花が咲くようになった。どうやら、日照りに強い植物らしい。



画像 1 kiss me quick ・ヒメマツバボタン 


現物は、画像 1 のものとは比べようもないほど、鮮やかな紅紫色である。

四苦八苦して、Webで、植物名を調べた。
どうやら、Latin Name(学名)が、Portulaca pilosa L. 。Common Name(通称・米名)が、kiss me quick だった。

この鉢を1年間野ざらしで放置しておいた。今年の8月も日照りだった。花も咲かないので、さすがに枯れたものと思っていたところ、9月12日になって、突然のように花が咲いた。秋雨による降雨のお湿りにより仮死状態から蘇ったのだろうか。
また、鉢の中だけでなく、地面のコンクリートの隙間から生えたものも花を咲かせていた。昨年の種子が飛んだらしい。
そこで、我が家の kiss me quick の覚えとして、この記事に記録することにした。

昨年の8月に調べて、和名も解っていた。和名は、ヒメマツバボタンだった。

ヒメマツバボタン(姫松葉牡丹)
スベリヒユ科スベリヒユ属
Portulaca pilosa
別名 ケツメクサ、ケヅメグサ、マルバケヅメグサ
帰化植物である。
米名の kiss me quick は、まさに、名は体を表すの例えのようである。花は小さいが、艶かしさを感じてしまう。
原産地はアメリカ大陸とのこと。

なお、ヒメマツバボタンを調べた際、日本語サイトでは、原産地を熱帯アメリカとしているサイトが多く、南アメリカとしているサイトもあった。
私はネタ本を所持していないので、Webで調べるだけだが、http://en.wikipedia.org/wiki/Portulaca_pilosa に、「that is native to the Americas. Its range extends from the southern United States and the Caribbean as far south as Brazil.」という記述があった。
wikipedia の記述を信じれば、原産地はアメリカ大陸というのことになる。そして、その範囲は、米国の南部と、Caribbean。さらに、南は、ブラジルまで。といった感じだろうか。
英文の和訳はできないが、ここに記しておきたいことは、「southern United States」(米国の南部)が範囲に含まれるということは、一般的と思われる熱帯アメリカ (Tropical America)の範囲から外れているのではないかということ。

一般的と思われる熱帯アメリカ (Tropical America)の範囲は、Animals and Plants - Gladys Porter Zoo というサイトの記述によれば、
熱帯アメリカとは、最北端を除くメキシコ全域、全中米、及び南米の北側2/3の地域。と、ある。 原文の記述は、「Tropical America represents a region that includes all but the northernmost part of Mexico, all of Central America and the northern two-thirds of South America.」。
ということで、http://en.wikipedia.org/wiki/Portulaca_pilosa にあった「southern United States」は、一般的と思われる熱帯アメリカには含まれないことになる。

ヒメマツバボタンの原産地を熱帯アメリカとしているサイトが多かったので、余分なことを書いてしまった。
一般的と思われる熱帯アメリカの範囲については、別ブログの記事、「熱帯アメリカ」にも記してある。
なお、日本語の植物の世界での「熱帯アメリカ」には、その範囲について明確な定義がないようだ。「熱帯アメリカ」の表現は、誰かの造語で、使用については、その踏襲ではないかと思っている。



画像 2 花後  

画像 2では、萎んだ花の下には、膨らんだ子房が見える。

今年気が付いたのだが、生育環境によって茎の長さが変わり、葉の付き方が変わってくる。鉢の中のものは茎が短く、コンクリートの隙間から生えたものは茎が長く伸びている。


今年の花は、いろいろな都合で、まだ、撮影できないでいる。


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アラゲハンゴンソウ 流れ着きしもの

川原にアラゲハンゴンソウ(荒毛反魂草)が1株だけ咲いていた。8月3日のこと、サボンソウよりも遠くに、黄色が目立つ植物を見出した。
近づいて見たら、アラゲハンゴンソウだった。 アラゲハンゴンソウは、花弁(舌状花)が黄色なので、多少離れた場所で咲いていても、眼を惹く花である。
このアラゲハンゴンソウ、花弁や茎に泥を被った痕跡があった。
花弁や茎の泥を被った痕跡は、7月26日以前のものと思える。今シーズン、この河岸を訪れ始めたのは7月27日から。それ以前に増水があり、泥水に浸ったのであろう。
と、いうのは、7月27日時点で、ビロードモウズイカ(天鷲絨毛蕊花)の根元付近に泥水を被った痕跡があった。他の観察植物は泥を被った痕跡が見られなかった。
そして、この、8月3日も他の観察植物には泥を被った痕跡が見られなかった。それにより、アラゲハンゴンソウは、7月26日以前から咲いていたということになるのであろう。



画像 1 アラゲハンゴンソウ ・花弁や茎に泥を被った痕跡 





画像 2 茎と葉の泥水を被った痕跡 



8月31日、サボンソウの近くに、新たにアラゲハンゴンソウを1株見出した(画像 3、 4)。茎の下部と、根元に近い葉には、泥を被った痕跡があった。
泥水に浸ったのであろうが、その後、無事に生育し頭花を開いたのであろう。
辺りを見回しても、ぽつんと1株だけだった。



画像 3 茎の下部と葉の様子 





画像 4 横姿・管状花は咲き終えた。右奥はコセンダングサ(小栴檀草) 



アラゲハンゴンソウ(荒毛反魂草・粗毛反魂草)
キク科オオハンゴンソウ属
Rudbeckia hirta var. pulcherrima
別名 キヌガサギク
原産地 北米大陸(※1) 

ぽつん、ぽつんと2株だけなので、上流から種子が流れ着いたものと推測した。そして、「流れ着きしもの」として、継続観察の対象とすることにした。
もっとも、園芸の世界では、ルドベキア・ヒルタ(アラゲハンゴンソウの学名の片仮名書きしたもの)の改良種などが出まわっているとのこと。
そんな訳で、このアラゲハンゴンソウが、北米大陸から渡来して帰化・野生化したものの子孫か、園芸種の子孫かは不明である。
まだじっくりと観察していないが、昨年、対岸で見たものよりも、毛が薄い(疎ら)のような気がしている。


アラゲハンゴンソウや、ビロードモウズイカは毛深いので、泥水を被ると痕跡が残りやすいのであろう。

※1 北米大陸の自生地については、USDA PLANTS の Rudbeckia hirta var. pulcherrima に詳しい。

2013.08.31 どんぶらこリスト追加の覚え

アラゲハンゴンソウ blackeyed Susan

アラゲハンゴンソウ(荒毛反魂草・粗毛反魂草)
キク科オオハンゴンソウ属
Rudbeckia hirta var. pulcherrima
別名 キヌガサギク
原産地 北米大陸(※1)  
米国別名 blackeyed Susan




画像 1 アラゲハンゴンソウ ・blackeyed Susan 


アラゲハンゴンソウの初見は昨年(2012年)の6月のこと。対岸の下流側で、ホソバハルシャギク(細葉波斯菊)の探索中のことだった。
オオキンケイギク(大金鶏菊)と並んで咲いている黄色い花が目に付いた。オオキンケイギクとは趣が違ったので、余計に目に付いたのかも知れない。単眼鏡を覗いても、オオキンケイギクとは別の花としか判らなかった。
気になったので、装備を改めて、観察に出向いた。総苞片・茎・葉と、毛深い植物だった。舌状花は黄色だが、管状花(筒状花)の花床が濃い茶色で、円錐形や半円形をしていた。管状花も黄色だが、小さいので目立たないようだ。
Webで調べたが、毛深いのと、頭状花の様子で、簡単に、アラゲハンゴンソウと判った。

生えていたのは、降水量が100mmを越えると立ち入り禁止になる所だが、通常の増水では冠水しない場所。流れ着いた種子が根付いたとも思えない。そんなことで、興味も湧かず、その後、継続観察をすることはなかった。
それと、この場所、犬の糞の多い所なので、肘や膝を着く植物観察には適さない場所でもあった。




画像 2 茎も葉も毛が目立つ 




画像 3 茎の開出毛。縦方向の溝も特徴か? 




画像 4 蕾・総苞片の毛の様子 




画像 5 蕾・総苞片の毛の様子 




画像 6 茎上部と、総苞の毛の様子 



年が変わり、今年(2013年)の4月。アラゲハンゴンソウのことは忘れていたが、オオキンケイギクの根生葉の様子を見に、10箇月ぶりに、対岸へ出かけた。こちら岸でも、4kmほど下流へ行くと、オオキンケイギクの観察はできるのだが、対岸の場所のようにはちょこっとは行けない。
オオキンケイギクの根生葉はしっかり成長していた。が、オオキンケイギクの観察よりも、枯れ残って、ドライフラワー化した果実の存在に心惹かれてしまった。



画像 7 枯れ残った果実 




画像 8 枯れ残った果実 


10箇月ぶりに訪れたので、夏以降の経過がまったく分からない。昨年あった植物のことを思い出し、枯れ残った果実の形状と、アラゲハンゴンソウの花床の形状が似ているように思われた。
また、茎の縦方向の溝も確認できた。それらのことから、枯れ残って、ドライフラワー化した果実はアラゲハンゴンソウであろう。と、推理した。
確認するためには、アラゲハンゴンソウの花後の変化を観察しなくてはならない。と、思った。

それから、4箇月。対岸へは一度も行っていない。そんな時、こちら岸で、明らかに流れ着いたであろうアラゲハンゴンソウの存在に気付いた。
そこで、事のついでなので、対岸の少し下流で見たアラゲハンゴンソウの記録を、「どんぶらこ」カテゴリの記事の覚えとして記しておくことにした。

画像 2 ~ 6 に写っているように、茎・葉・総苞片の毛が顕著である。
画像 2 、画像 5~ 6 に余分なものが写っているが、チガヤ(茅萱)の絹毛(綿毛)のようである。

米国の別名 blackeyed Susan について。
Susan は、何を意味するのか不明だが、女性名と思われる。blackeye は、花床の部分であろう。アラゲハンゴンソウをちょっと離れた所から見ると、小さな管状花の黄色が見えなくなる。ちょっと離れた位置から見た姿を blackeyed Susan になぞらえたものであろう。
管状花がすべて咲き終えた直後の舌状花だけ残った姿も、まさに、 blackeyed Susan と思われる。

※1 北米大陸の自生地については、USDA PLANTS の Rudbeckia hirta var. pulcherrima に詳しい。

ヒユ科の植物 ケイトウなど

川原のサボンソウ(石鹸草)を見に行ったら、隣に、緑色の植物(画像 1)があった。
緑色の植物の第一印象は、一昨年、別のフィールドで見かけたヒユ科の植物に似ていた。名前は思い出せないが、○○ゲイトウではないかと思った。
一昨年の植物は、冬に向かい、緑色が、紫色に変化した。いつも、風に揺れていて、ろくな観察ができなかった記憶がある。



画像 1  


サボンソウから戻りながら、足元の赤色系統が目立つ植物(画像 2)が目に付いた。



画像 2  


2週間前の、8月3日の時は、サボンソウに気をとられていて、この植物の存在に気が付かなかった。
もっとも、2週間前は画像 3のもののように小さかったかも知れない。または、まったく気配がなかったかも知れない。
それとも、ただ単に、観察眼が働かなかっただけかも知れない。
いずれにせよ、この日は、画像 3のもののように小さいものから、画像 2のように花穂を付けているものまで、5株が点在しているのを確認した。



画像 3  


なお、高さの比較のために、画像 3に写し込んだライターの高さは8cm。
画像 2の植物は高さ20cm程度。
この植物は、園芸植物のケイトウ(鶏頭)の類であろうと思った。 ケイトウの類であれば、これも、ヒユ科の植物である。

二つのヒユ科の植物、「流れ着きしもの」として、観察対象と定めることにした。サボンソウと併せて、川原を訪れる楽しみが増えた。

植物名の同定については、課題。観察の過程で、同定できればと、期待している。
ただし、同定前に、雨台風が来れば、増水して、流されてしまう可能性がある。


2013.08.18 どんぶらこリスト追加の覚え

オオブタクサ めっけ

クズ(葛)の原の縁に、オオブタクサ(大豚草)を見出した。
思わず、心の中で、「オオブタクサ めっけ」と、つぶやいてしまった。そして、足を止めた。
足を止めたのは、なにも、オオブタクサが珍しい植物という訳でもなく、気になっている植物という訳でもない。
ただ、ぽつんと、一株だけだったので、それが不思議に思えたからだ。

念のため、周りを見回したが、他には見つけられなかった。
私の知るオオブタクサは、別の場所の同一箇所で、一昨年・昨年・今年と見た限り、大群落をなしていた。
ところが、この場所では、一株だけだった。 この場所は今年から観察フィールドと定めた場所。そして、誰も除草しない場所。
そこで、オオブタクサを一株だけ見たのである。

このオオブタクサ、どうやら、新しい観察フィールドでの観察の候補になりそうだ。
クズの原の縁は、果たして、秋に向かってどうなっていくのだろうか。
数十匹の蚊にまとわり付かれているので、立ち止まり続けることに躊躇はあったが、とりあえず、記録撮影だけはした(画像)。



画像  オオブタクサ・花芽はまだ見えない  

草丈 53cm。一番大きな葉の長さ 13cm。だった。
昨年、他所で見たオオブタクサは、草丈 70cmほどになると、花芽・蕾を付けていた。

オオブタクサ(大豚草)
キク科ブタクサ属
Ambrosia trifida
別名に、クワモドキ、マルバクワモドキなどがある。
クワモドキは、桑の葉に似た葉を付けることによる。とのことだが、私の知るオオブタクサの葉は、桑の葉に似た葉とも思えない。


幸いなことに、この観察フィールド、クズの葉陰にブタクサ(豚草)も見られる。まだ、草丈が低いが、除草されてしまう心配がない。ブタクサも、できることなら、観察株を定めて、継続観察をしてみたい。
どこにでもありそうなブタクサだが、今までの観察フィールドでは除草されてしまうので、継続観察はできなかったのだ。

2013.08.03 の記録


追記 オオブタクサ
2013.08.17 75cm に伸びていた。
2013.08.25 90cm。茎頂部に変化あり。花芽らしきものがあった。

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