河岸で目的の観察を終えて、一服した。
一服しながら中距離に目を遣ると、頭でっかちの如く花を付けているように見えるものがあった。
近づいてみると、植物だった。一株だが、白色と、桃色の花を付けている。
花の雰囲気は、大きさは違うが、ちょっと、ムシトリナデシコ(虫取撫子)に似ている。しかし、葉を含めた立ち姿は、明らかに、ムシトリナデシコとは違った。
画像 1 サボンソウ
初めての植物なので、先ず、名前を調べた。
いつも利用する三つのサイトで、絵合わせを試みた。しかし、当たりなし。
花の雰囲気が、ちょっと、ムシトリナデシコに似ていたので、「ナデシコ科」で検索して、再び、絵合わせ。当たりがあった。どうやら、和名が、サボンソウという植物のようだった。
そして、「サボンソウ」で検索して、いくつかのサイトを参考にさせて頂き、この植物が、サボンソウ(石鹸草)と判った。
サボンソウは、欧州原産の野草だが、園芸品として渡来したという。
植物調べで、いつも利用させて頂いているサイトがいくつかある。その一つ、GKZさんの「
GKZ植物事典」にサボンソウの掲載があった。
この記事の参考になるので、以下、GKZ植物事典の
サボンソウから、解説と履歴を引用。
解説 サボンソウは、ナデシコ科の多年草である。根茎にサポニンが含まれ皮膚病などの治療に用いられてきた。草丈は30~100㎝程度。根茎が横に這って繁殖するので株としてのまとまりが出来ない。観賞用としてはロックガーデン向きである。葉は対生し、光沢がある。6~7月頃白色または淡紅色の花を見せる。花径は2~3㎝程度。
履歴 我が国へは明治初年頃渡来している。
以上、GKZ植物事典より引用。
画像 2 サボンソウ・茎と葉の様子
一株だけ、川原にぽつんと育ったサボンソウ。
元は流れ着きしサボンソウの種子一つ。
豪雨か、台風で水嵩(みずかさ)が増したときに、種子が流れ着いたものと推測できた。
今年の秋に冠水して流れなければ、来年も花が見られるかも知れない。
そして、多年草とのことで、また、根茎でも増えるとのこと。なので、株も増えているかも知れない。
サボンソウ(石鹸草)
ナデシコ科サボンソウ属
Saponaria officinalis
属名は、Saponaria を片仮名書きして、サポナリア属と表記する場合もあるようだ。
和名は、「サボンソウ」だが、現代人には「シャボンソウ」としてもらった方が分かり易いような気がした。漢字表記が「石鹸草」なのだから、和名は、「シャボンソウ」が良い。
「サボン」だが、ポルトガル語の sabão (サボン)か、フランス語の savon (サボン)から来ているのかも知れない。 sabão と、 savon 、ともに、石鹸のことだという。
ポルトガル語の sabão は、鉄砲伝来以来、転訛した「シャボン」で、日本語として通用しているので、和名制定時に「シャボンソウ」を採用して欲しかった。
Webで調べると、サボンソウよりもシャボンソウの方が通りが良いようだ。さらに、ハーブ系の道では、シャボンソウよりもソープワートの方が通りが良かった。ソープワートはサポナリアでも通じるようだ。
いずれにしても、このサボンソウ、「流れ着きしもの」なので、大いに惹かれた次第である。
PR