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Gombessa

植物や昆虫などの生物は和名を表記するように心掛けている。そして、同定については「当たらずといえども遠からず」を目標にしている。

ニホンカワトンボ?

 雪も解けたと思い5月8日から偵察に出かけた山の観察地。蜻蛉の姿が見られたのが5月15日だった。
 昨年の8月から通い始めた山だが、2020年の初見蜻蛉はカワトンボだった。




画像 1 ニホンカワトンボ? ♀ 


 流れに沿って往復するように飛ぶ蜻蛉の影。もしや早苗蜻蛉の仲間ではなかろうか。と、期待して記録撮影の機会を待った。
 日の当たる場所で運良く記録撮影。止まった姿はカワトンボ。ファインダを覗く前は、場所的にアサヒナカワトンボ(朝比奈川蜻蛉)と思った。が、撮影した画像はニホンカワトンボ(日本川蜻蛉)のようだった。
 次に訪れた5月29日にも同一種と思われる個体が流れに沿って往復するように飛んでいた。が、止まった姿を撮影することはなかった。
 念のため、流れを下ってみたが、カワトンボも他種の蜻蛉も全く見かけなかった。

 2回だけの目撃で、複数の個体を確認していないので、定住しているとは思えないカワトンボ科の蜻蛉。明確な正体の確認は来年以降の課題となった。

 なお、ニホンカワトンボは平地の野周りフィールドでは4月4日に当日羽化の個体を観察。アサヒナカワトンボは山地の観察地で5月2日に目撃した。





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ネキトンボは連結打水産卵

2017年9月11日、ネキトンボ(根黄蜻蛉)を知った。
観光旅行で訪れた地だが、照葉樹や常緑樹が目立つ如何にも温暖地と思える場所だった。 蝶のアオスジアゲハ(青条揚羽)が当たり前に飛び、ミンミンゼミ(ミンミン蝉)がまだ盛んに鳴いていた。
いつも散歩しているフィールドでは、アオスジアゲハは稀に姿を見るくらい。ツクツクボウシ(つくつく法師)はまだ盛んだが、ミンミンゼミは既に聞こえなくなっている。

狭い池(水槽)を覗き込むと、真紅に思える蜻蛉が数匹飛び回っていた。
その姿を見て、てっきり、ショウジョウトンボ(猩猩蜻蛉)と思った。間もなく、連結が産卵飛行をしているのが目に付いた。

連結打水産卵を目の当たりにして疑問が生じた。私の知るショウジョウトンボは単独打水産卵。雄の警護は、あったり、なかったりである。
そして、次の疑問。連結の後の雌の腹部背面が赤色だったこと。
初めは一組の連結が産卵していたが、直ぐに、二組加わり、三組の連結が狭い水面上を入り乱れて、産卵飛行をしていた。どの組の雌も腹部背面は赤色だった。赤色と赤色の連結が異様に見えた。
私の知るショウジョウトンボの雌は、産卵のため水面近くを飛ぶ姿は、背面の色合いからウスバキトンボ(薄翅黄蜻蛉)と思い違いをしてしまうような色をしている。

もっとも、ウスバキトンボは、飛行しながら連結となり、そのまま交尾、産卵する。それも、水溜りだけでなく、自動車のガラスや屋根にも産卵する猛者である。
観察経験は少ないが、ウスバキトンボはいつも連結だ。まだ、単独産卵を見たことはない。

話しが逸れてきたが、産卵飛行しているショウジョウトンボの雌は、背面から見ると、ウスバキトンボに見間違えるような色をしているのである。
ところが、この日見た連結の後尾の雌は背面から見ると赤色だったので、現地で疑問が湧いたのであった。




画像 1 雌を待つネキトンボの雄 脚は黒色 

帰宅後、ボケとブレの画像から、雄の背面は紅色。翅の基部も紅色。雌の背面は、薄い赤色。そして、翅の基部は橙色だった。
明らかにショウジョウトンボでないことは判ったが、正体は不明だった。
連結産卵飛行の画像の中に、雌の胸部側面が黄色。そして、胸部側面にくっきりと黒条の写っている画像があった。
そして、胸部側面のくっきりとした黒条から、ネキトンボであることが判った。

ネキトンボと判ってしまえば、脚部の色の違いでショウジョウトンボと区別できた。
見慣れているショウジョウトンボの雄の脚は緋色。初めて見たネキトンボの脚は黒色だった。




画像 2 ネキトンボ 雄の翅胸側面に太い黒色条 

ネキトンボとショウジョウトンボの簡易識別法と違いについて。
次に出遭うことはないかも知れないが、大宝恵として、簡易識別法と違いについて記しておくことにした。
成熟した雄と雌の、それぞれのワンポイント。それと、産卵の形態の違いにつて。
それぞれのワンポイントは下の表に。
そして、違いにつて。
両種はトンボ科に属するが、アカネ属とショウジョウトンボ属の違いがあること。
 
ネキトンボ ショウジョウトンボ
脚が黒色 脚が緋色
翅胸側面に太い黒色条 翅胸側面に黒色条なし
産卵 連結(基本) 単独
アカネ属 ショウジョウトンボ属










画像 1 では、翅に隠れ胸部側面が不明瞭だが、画像 2 を確認すると、雄にも翅胸側面に太い黒色条があることが判る。
それと、画像には黒色の脚が写っている。

ネキトンボの産卵は、連結飛行で打水産卵。連結産卵中に連結を解き、単独産卵に移行することもある。とのことだが、1度だけ、それも数分間の観察だったので、連結産卵しか見ていない。

それと、違いについて。
前述したが、ネキトンボはトンボ科アカネ属。いわゆる赤とんぼの仲間である。
そして、ショウジョウトンボはトンボ科ショウジョウトンボ属。国内では、1属1種のようである。

観光旅行で、ネキトンボという、トンボ科アカネ属の存在を知ることができた。好い旅の思い出ができた。
残念だったのは、雌雄の連結飛行や、連結打水産卵などの画像が、まともに撮れなかったことである。

ネキトンボ(根黄蜻蛉 )
トンボ目 トンボ亜目 (不均翅亜目) トンボ科 アカネ属
Sympetrum speciosum speciosum
種としては、Sympetrum speciosumだが、学名では亜種となる。
別の亜種としてタイワンネキトンボ(Sympetrum speciosum taiwanum)があるとのこと。
この先、タイワンネキトンボにお目にかかることはないと思う。

以上は2017年9月16日に書いた記事だが、事情で公開しないままでいた。
月日も経ち、多少落ち着いてきたので、記事を公開することにした。




我が家に泊まったウスバキトンボの雌

2017年8月26日の夜、ウスバキトンボ(薄翅黄蜻蛉)がとまっていることに気付いた。
昨年のエノコログサ(狗尾草・狗児草)の枯れ残った茎にウスバキトンボがとまっていたのだ。
その日のフィールドワーク(散歩)で疲れていたのと、翌日のフィールドワークも控えているので早寝をするつもりだった。
そして、表で就寝前の一服。そしたら、夜目が利く訳ではないが、放置した状態の鉢のひとつに違和感を覚えた。
そこには、体長の割りに、翅長のある蜻蛉の影があった。
疲れていて、眠いが、観察撮影をすることになった。
夜で、ピントが合わないので、補助光を用意して、どうにか撮影した。とまっているのは、ウスバキトンボの雌だった。



画像 1 睡眠中のウスバキトンボの雌 




画像 2 睡眠中のウスバキトンボ 別のカメラで別角度から 


明朝には飛び立ってしまうのだろうから、記録撮影をするために、一晩泊まってもらうことにした。
ウスバキトンボには、とんでもない迷惑なことだったろう。

そして、8月27日。フィールドワークへ出かける前に記録撮影をした。

撮影の前に各部を採寸した。
その結果は、
    腹長 33mm
    全長 49mm
    後翅長 42mm
    前翅長 44mm
だった。



画像 3 右側面 胸部と頭部 複眼はツートン 




画像 4 ウスバキトンボ雌の左側面 翅を除く 




画像 5 ウスバキトンボの雌の顔面 




画像6  前胸背面、首、後頭部 




画像 7 腹端部腹面 尾毛、産卵弁など 




画像 8 ウスバキトンボ雌の腹面側 


撮影が済んだので、マルバアメリカアサガオ(丸葉亜米利加朝顔)の葉にとまらせて解放した。
マルバアメリカアサガオにとまる姿の記念撮影をするつもりだったが、撮影の準備をする間もなく、ほんの数秒で飛び去ってしまった。




ウスバキトンボ(薄翅黄蜻蛉)
トンボ目 トンボ亜目 (不均翅亜目) トンボ科 ウスバキトンボ属
Pantala flavescens
漢字表記は、薄翅黄蜻蛉の他に、薄羽黄蜻蛉もあるようだ。





参考までに、8月21日に所用で移動中に拾った雌の死骸の各部の長さ。
    腹長 31mm
    全長 48mm
    後翅長 39mm。後翅開長 81mm。
    前翅長 41mm。前翅開長 87mm。

もうひとつ、8月2日に発見した雄の死骸の寸法も記しておく。
    腹長 31mm
    全長 48.6mm
    後翅長 42mm
    前翅長 44mm
この雄は我が家で発見した。7月31日に片付けた場所で、8月2日に発見した。
8月1日の降雨時に雨宿りをして、そのまま息絶えたものと推測した。

    今年のウスバキトンボ
ウスバキトンボの飛来に気づいたのが7月6日。
群れ飛ぶウスバキトンボを眺めていて、交尾、産卵を目撃したのが、7月26日。

    参考 フィールドでのウスバキトンボ
フィールドではとまる姿を毎回のように撮影した。7月8日の初見から撮影を始めて、9月9日までは毎回のように撮影した。
ウスバキトンボはせっせと、餌捕りに飛び回っているので疲れるのだろう。眺めていると、直ぐに翅休めにとまった。
また、ヒト嫌いで、ほとんどの場合、彼の蜻蛉達が先にとまっている場合は、近付くだけで逃げ去ってしまった。

それと、時期によるのかも知れないが、ウスバキトンボは早寝であった。夕刻前、同じ枝に複数匹とまり仮眠体勢に入っていた。
もっとも、すべての場合が複数匹というわけでもなく、単独で、仮眠体勢に入っているものもあった。
ウスバキトンボ達にとって、仮眠に適した環境があるのだろう。




コセンダングサの餌食になったナツアカネの雌

2015年10月4日、コセンダングサ(小栴檀草)の餌食になった赤とんぼを見た。
赤とんぼは、ナツアカネ(夏茜)の雌だった。
年に一度、秋口にだけしか訪れないフィールドでのことであった。


ナツアカネの雌

画像 1 コセンダングサの餌食になっている赤とんぼ ナツアカネの雌と判明 


コセンダングサは、キク科センダングサ属の植物。けっして、食虫植物ではない。通称、泥棒草(どろぼうぐさ)と呼ばれる植物の一種。
泥棒草の代表格で何処にでも繁茂している厄介ものである。
コセンダングサの果実(痩果)は、棘が銛状の鉤になっていて、獣毛やヒト(人間)の被服に逆刺が食い込むようになっている。
本来、そうして、動物に果実(種子)を新天地に運んでもらい、何処へでも侵出してきた植物である。
ところが、運搬役には適任でない赤とんぼの翅に刺さってしまったのであった。

コセンダングサの餌食になっているナツアカネの雌は、右の前翅と後翅がコセンダングサの棘に捉えられていた。




画像 2 ナツアカネの顔面 

今までに、生きているナツアカネの近接画像は撮ったことがなかった。
それと、ナツアカネは観念してか、おとなしくしていた。
そこで、記録撮影をすることにした。

先ずは、頭部正面から。いわゆる顔面を撮ってみた(画像 2 )。
写っている主な部品は、左右の複眼、前額、頭楯、唇。他に額隆部も写っている。
額隆部には単眼が3個、触角が1対、写っているはずだが、この画像では見づらい。
複眼は背面側と腹面側で別のものように見える。 背面側は茶色に見える。腹面側は、単色でなく、緑色にも黄色にも見える。画像から判断すると、時によって、偽瞳孔状の物が見えるのは腹面側の複眼であることが判る。




画像 3 ナツアカネの頭部・背面側より 

背面側からの頭部の画像では、触角、背面側の複眼が確認できる。 また、後頭三角と、角度的に不明瞭だが、複眼の後側縁と、腹面側の複眼も確認できる(画像 3 )。
虎縞模様の襟巻きのように見える複眼の後側縁の役割は不明だが、後頭三角は重要な役割がある部位である。特に雌の場合はなくてはならないものである。

後頭三角は雄と連結する時に、雄の腹端部の付属器が挟んで押さえつける場所である。
こんな狭い場所にぴたりと、雄の腹端部の付属器が納まるのだから、連結の初期動作は優れた技だと思う。
それも、飛行中に、連結になるのだから、蜻蛉の飛行術は素晴らしい技術である。
恐らく、不均翅亜目の蜻蛉は、科が違っても、似たかよったかの連結方法をするのだと思う。
数種類の蜻蛉しか確認していないが、トンボ科は、種が違っても、後頭三角があるようだ。
また、後頭三角の表記は、「後頭部三角形」というのもある。なお、横文字では、”occipital triangle”と表す。




画像 4 ナツアカネの腹端部・背面側より 

雌の腹端部の付属器は尾毛と呼ぶ(画像 4 )。
この蜻蛉、腹端部に尾毛があるので雌と判った。




画像 5 ナツアカネの胸部と頭部・右側面側より 

胸部側面の第一側縫線(だいいちそくほうせん)に沿う黒条(黒色の帯状の模様)の先端の形状が、ナツアカネと物語っていた(画像 5 )(※1 )。
ナツアカネは、第一側縫線に沿う黒条の先端の形状が、角ばって止まる。 紛らわしい蜻蛉に、同属のアキアカネ(秋茜)がいる。アキアカネは、第一側縫線に沿う黒条の先端の形状が、尖りながら途切れる。
話が逸れてしまったが、ナツアカネとアキアカネの識別は、第一側縫線に沿う黒条の先端の形状の違いが容易なようだ。




画像 6 後翅が開かないので飛べないナツアカネの雌 

おとなしくしているナツアカネの雌の簡易撮影が済んだので、逃がしてあげることにした。
別ブログの「不運なアキアカネ(秋茜)のメス 」では、コセンダングサの餌食になっている赤とんぼはアキアカネだった。
9月23日の観察だが、この時は、周囲のコセンダングサの果実に阻まれて、逃がすのは無理だった。
今回は周囲にコセンダングサの果実がなかったので、不器用な指で、ナツアカネのコセンダングサの果実からの解放を試みた。




画像 7 後翅にコセンダングサの痩果の棘が刺さっていた 

どうにか、コセンダングサの果実から解放してあげたのだが、飛ばなかった。
前翅は開いたのだが、後翅が閉じたままだった(画像 6 )。
よくよく見ると、左右の後翅が閉じた状態で、コセンダングサの痩果の棘が左右の後翅を貫通して刺さっていた(画像 7 )。
私の不器用な指で、コセンダングサの果実から解放した際に、1個の痩果が花床から離れてしまったようだ。

ピンセットでもあれば好かったのだが、道具類はないので、再度、不器用な指で棘を除去した。
すると、今度は後翅も開けたので、ナツアカネの雌は一目散に飛び去った。
ぼろぼろで、穴だらけの翅でも、何事もなかったように飛んだのであった。



ナツアカネ(夏茜 )
トンボ目 トンボ亜目 (不均翅亜目) トンボ科 アカネ属
Sympetrum darwinianum




※1 胸部側面の第一側縫線
第一側縫線など胸部側面については、別ブログだが、「早死にしたナツアカネ 未成熟のオス」に「肩縫線」(けんぽうせん)とともに記してある。画像 6「参考画像 ナツアカネの胸部側面」も参考になる。




珍客 オナガサナエの若い雄

2015年6月30日、我が家のブロック塀に、体長が、目測で65~70mm程度の蜻蛉がとまっていた。
蜻蛉の観察経験のほとんどない私には未知の蜻蛉だった。
所用で出掛けるまでに時間があったので撮影してみた。
腹部は黒地に黄色の縞。大きめな複眼は薄緑色(灰緑色)。と、ファインダ越しに確認。顕著だったのが、腹端部。蟹の鋏を連想するような付属器。



画像 1 複眼が薄緑色の蜻蛉 後にオナガサナエの未熟な雄と判明 


所用を済ませ戻ったのが13:30。彼の蜻蛉は、ブロック塀にとまっていた。
昼食を摂りながら、撮影した画像を頼りに名前(和名)を調べてみた。
複眼の色が疑問だったが、オナガサナエ(尾長早苗 )という早苗蜻蛉の仲間だった。
顕著な腹端部の付属器が決め手になった。この付属器はオナガサナエの雄の特徴であった。

複眼の色については、羽化直後は褐色(赤茶色)であり、成熟するとエメラルドグリーン(澄んだ濃緑色)なるとのこと。
画像のものは薄緑色。腹端部の付属器と併せて、成長過程の未熟な雄。と、いうことで落ち着いた。



画像 2 オナガサナエの複眼と胸部。斜め背面から  


13:30にはまだいたが、15:30に見たらいなかった。撮影が、9:30だから、少なくも4時間はとまっていたことになる。
我が家のブロック塀は最寄の林へ移動途中の中宿だったのかも知れない。



画像 3 オナガサナエの雄 腹端部の付属器が目立つ  


オナガサナエ(尾長早苗)
トンボ目 トンボ亜目 (不均翅亜目) サナエトンボ科 オナガサナエ属
Melligomphus viridicostus 近年学名が変わったとのこと
Onychogomphus viridicostus 変更前の学名
オナガサナエは、従来、Onychogomphus属だったが、Melligomphus属に含まれるが相応しい。との、研究成果によるものとのこと。
なお、属名の「Melligomphus」も「Onychogomphus」は、日本語表記では、どちらも、オナガサナエ属と表すようである。

我が家で見かけたので、「身近な生物」の記事としたが、オナガサナエは珍客である。



画像 4 オナガサナエの頭部と胸部。背面から 


   ---   参考  後日談
7月23日に目撃したオナガサナエの雄は体長、 60mm。コンベックスで非接触測定。
顕著な腹端部の付属器もさることながら、複眼のエメラルドグリーンが目を惹いた。成熟した個体である。近くの山から帰ってきたのであろう。
所用で移動途中に、河川に架かる橋で、目撃。
この記事のものより小さめに感じた。個体差であろう。

このときは自転車で移動中。路上に複眼の鮮やかな緑色の蜻蛉が落ちていると思った。複眼の鮮やかな緑色が気になったが、約束の時刻も近付いていた。
一旦は、普通に通り過ぎてしまったが、気になったので戻って確認することにした。その判断を下すまでに自転車は40mほど進んでいた。
路上で目印もなく、10m程度過ぎただけと思い、自転車を転がして戻った。しかし、実際は、40mほど離れていた。無機質の路上に有機質の蜻蛉を見出すまでの40mほどは長い距離に思えた。
動きがなかったので、路上で死んでいるのかと思ったが、頭が動いた。路上にとまっていたのだった。
その蜻蛉は、腹端部の付属器の形状から、憶えたてのオナガサナエの雄と判別できた。
残念ながら、デジカメは持っていなかった。コンベックスは持っていたので体長測定を試みた。
生きている個体なので、接触測定は無理と思えたので、背面方向から非接触で測定。
最終的に、コンベックスは、背面に2、3cmの距離まで寄った。その測定結果が、体長 60mm。
また、オナガサナエには近付けることも実体験できた。

体長測定後、蜻蛉はどうするのかと眺めていた。すると、間もなく、ふいっと飛び去っていた。
なお、当然のことながら、約束の時刻には遅れてしまった。


   ---   参考  関連記事(別ブログ)
近くの小高い山で、未成熟のオナガサナエを見た話。「キアゲハを食うオナガサナエ」。2015年7月12日の記録。




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