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Gombessa

植物や昆虫などの生物は和名を表記するように心掛けている。そして、同定については「当たらずといえども遠からず」を目標にしている。

ツマグロヒョウモンの幼虫

ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)の幼虫が我が家にいた。
体長は、頭部を丸めた状態で測って、約40mm。実際は、40mm以上になる。大きさで調べてみたら、終齢幼虫のようである。

2014年9月28日の午後、用事の途中に、Primula kisoana の鉢の側面に黒っぽい毛虫を発見。用事を済ませ、カメラと虫眼鏡などを持って、観察することにした。
毛虫は、2013年3月の記事「実生から育ったハリエンジュ」の鉢に移動していた。そして、スミレ(菫)の葉を食っていた。



画像 1 ツマグロヒョウモンの幼虫 


画像 1 は、スミレの閉鎖花の花柄で、休んでいるツマグロヒョウモンの幼虫。休んでいると記したが、寝ているのかも知れない。



画像 2 ツマグロヒョウモン・幼虫の糞 


画像 2 は、幼虫の糞。新しいものは濃緑色、旧いものは黒色。
新しい濃緑色の糞は細かい粒の塊であると見て取れた。大きさの比較で、画像に写りこんでいる赤色の棒は直径5.0mm。画像の新しい糞は、長径4mm、短径3mm程度のようである。

午後、時間が経ち、水分が飛んだり、酸化して黒色になったら、直径2.2mmほどに縮んでいた。
爪楊枝の頭部と、黒色になって縮んだ糞を比較したら同じような大きさに見えた。黒色になって縮んだ糞の大きさを見るのにあたって、事前に爪楊枝の頭部の太さを測り、直径2.2mmと太さが分かっていた。
そして、大きさを比較したら、偶然に、糞の大きさと、爪楊枝の頭部の太さが同じようだった。そこで、「直径2.2mmほど」と、記した次第である。


ツマグロヒョウモンの幼虫は初めて観た。
以前からWeb上の画像を見ていて、予備知識があったので、同定は容易だった。
黒色でトゲトゲ状の突起と棘。突起の下部が紅色。胸部から尻近くまでの背面に、鮮やかな橙色の縦筋模様が1本。
そして、スミレの葉を素早く食う様子。などを観察した。
以上の観察したことの特徴と、Web上の画像との絵合わせ、それと、食草はスミレ科の植物との情報などが一致した。よって、ツマグロヒョウモンの幼虫と同定できた。


ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋・褄黒豹紋蝶)
チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科タテハチョウ亜科
Argyreus hyperbius


参考 今回の食草のスミレに関して
スミレ(菫)
スミレ科スミレ属
Viola mandshurica
「スミレ」という和名(名前)のスミレ。色々と混同の原因になることがあるので、「マンジュリカ」と表すことがある。マンジュリカは、学名の種小名「mandshurica」の片仮名読み。
なお、種小名の mandshurica は、日本語化すると、「満州の」となる。突然、「マンジュリカ」と聞いてもピンと来ないが、「満州」と併せれば、忘れることなく憶えられるようだ。


初めてのツマグロヒョウモンの幼虫観察だが、前蛹、蛹くらいは観察してみたいと思っている。

観察雑記
季節的なものか、個体差なのかは不明だが、黒色でトゲトゲ状の突起下部の色。
紅色が目立って、すべての突起の下部が紅色のように思ってしまう。しかし、画像を眺めると、胸部付近は紅色がなく、黒色であることに気付いた。

2014年10月1日の簡易記録


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外被(Field Jacket)の模索

冬季のフィールドワークは、外被(Field Jacket)が必需である。
そして、冬季は夏季以上に藪漕ぎ(やぶこぎ)が頻繁となるので、選定に当たっては、防風性に加えて、表地(おもてじ)の丈夫さの考慮も必要である。
表地の丈夫なものといっても、選定に限界があるので、破れても、穴が開いても惜しくない外被を着ている。
「破れても、穴が開いても惜しくない外被」と、記したが、実際は、安くて、丈夫で長持ちする軍の放出品を採用している。

2011~2012年と、2012~2013年の冬季は、ドイツ連邦軍(Bundeswehr)の Army Parka Flecktarn を着用した。
そして、2013~2014年の冬季は、イギリス海軍(Royal Navy・王立海軍)の合羽、SMOCK, FOUL WEATEER Moisture Vapour Permeable, RN を着用した。

Bundeswehrの外被は、1994年製。素材は、「80% CO/20% PES」とラベルにある。80% cotton / 20% polyester の混紡である。家庭用洗濯機で洗濯できる。調達は2011年の暮れ。
Royal Navyの合羽は、2013年の秋に調達。ラベルに「Moisture Vapour Permeable」とあり、透湿性のある合羽。Moisture Vapour Permeable はイギリス語。アメリカ語では、「Moisture Vapor Permeable」となるようだ。
共に、古着として購入した。

フィールドワークの外被は、長いこと、米軍の通称、M-65 Field Jacket(M-65フィールドジャケット)を採用していた。OG(Olive Green)色の物である。 裏地(うらじ)も付いていて防風性には優れていた。
2010年以前に数年間のフィールドワークのブランクがあり、その間に装備類が散逸してしまった。そこで、2011年に外被としてBundeswehrのArmy Parka Flecktarn を選定した。
選定時の記憶が曖昧であるが、予備のM65 Field Jacketは2着あったが、Bundeswehrの外被が惜しげなく着用できる価格だったので、こちらを採用したようだ。
2013年の秋に調達したRoyal Navyの合羽は、防風性・透湿性・保温性に優れていた。試用のつもりが、具合がよくて、1シーズン着用してしまった。
なお、Bundeswehrの外被は、まことに具合がよく、現役で、普段着として活躍している。




画像 1  イギリス陸軍のSmock(Field Jacket)  


ところで、Royal Navyの合羽は、裏地のMoisture Vapour Permeable(MVP)のダメージが激しいので、長持ちはしない雰囲気である。そこで、次なる外被の模索を始めた。
イギリス陸軍 (British Army)の、Smock,Combat,Windproof Desert DP が、「Windproof」とあったので、試しに購入してみた。
ラベルによると、生地の素材は、50%POLYESTER 50%COTTON とある。

商品説明の特徴から気になった箇所。
●Waist band   ウエスト部の絞り紐(ドローコード)が内側の左右の脇にあるので、調整する場合は着用前でないと絞りづらい。
●2 large cargo chest pockets   胸ポケット、位置が高いので、使いづらい。邪魔なら後で外してしまおうと思う。
●2 vertical zip pockets (Napoleon type)   ナポレオンポケットともいうらしい。垂直方向に開閉するファスナは、ちょうど、フランス軍の通称、M-64ジャケットと同じ形状だが、M-64ジャケットと比較にならないほど懐が広くなっている。そして、左右夫々に、内側にペン状の物が3本挿せる(深さ約12cm)。実用性が高そうである。

商品説明にはなかったが好かった点。
●ダブルファスナ。何かと便利。特に、小用。
●胸ポケット、腰ポケット、そして、階級章取り付け部で、ボタンが5個付いているが、前身頃の内側に予備ボタンが2個。
●手首から肘部の補強。商品説明では、
「Shoulder, chest and underarm reinforcements」と、あった。しかし、実物は、肩・胸・上腕部の他に、手首から肘部も生地が二重になり補強されている。フィールドワークの外被では、肘部分の補強はありがたい。

難点
●首周りがきつい。Royal Navyの合羽も首周りがきつい。イギリス物は首周りが細いのだろうか。下に着るものによってはファスナが上まで上がらない。
●襟とフードが一体(兼用)なので頭からや、肩からの藪漕ぎには弱いかも知れない。



画像 2  左腕、小ポケットの国旗ワッペン  


Smock,Combat,Windproof Desert DP は、左腕、小ポケットの国旗ワッペンを取り外せば、フィールドワークの外被としてデビュー可能となる。 


--- --- ---


画像 3  通称、M-65 Field Jacket。 DESERT CAMOUFLAGE PATTERN  


米軍の通称、M-65 Field Jacket も入手してみた。
手持ちのものと比べると、新しいタイプで、
COAT,COLD WEATHER,FIELD,DESERT CAMOUFLAGE PATTERN という外被。

ラベルによると、
SP0100-99-D-0303   14、5年前の新古品(Dead Stock)
OUTERSHELL:50% COTTON 50% NYLON   表地(おもてじ)は、50% COTTON / 50% NYLON の混紡
LINING:NYLON COTTON BLEND   裏地(うらじ)は、「NYLON COTTON BLEND」のみの表示なので、混紡率不明。

気が付いた箇所。
●従前のOG(Olive Green)色のM-65にあった脱着式防寒フード用のボタンとボタンホールはなくなっていた。
●ファスナは、YKK製品で、ビスロン(VISLON)と呼ぶ樹脂ファスナが使用してあった。従前のM-65は真鍮、古いM-65はアルミニウム合金のファスナだった。
●袖口の三角形の付属品がなくなっていた。三角形の付属品は、使用方法も不明だったし、内側に折り畳めたので、従前のM-65では一度も使ったことはなかった。
●袖を通してみたら、袖口から襟にダクト効果で冷気が通ってしまった。M-65はしっかりした出来なので、体に馴染ませるまで着込まないといけないのかも知れない。
なお、Bundeswehrの外被・Royal Navyの合羽・イギリス陸軍のSmock,Combat,Windproof Desert DP は、袖口が絞れるが、M-65は袖口が絞りきれない。



画像 4  YKK製品 スライダのつまみに「YKK」 


専用の防寒ライナを装着して、寒くない日に、体に馴染ませているが、フィールドワークの外被としてデビューはしばらく先のことになりそうである。




画像 5  スライダの裏側 VISLON YKK USA 10V とある  


一口に「暑さ寒さも彼岸まで」というが、冬季の外被の出番がおしまいになる頃になってきた。
しかし、今後ともフィールドワークを続けていくつもりなら、陽気が変わっても、来るべき冬季に備えて、Royal Navyの合羽の後継として、冬季の外被の選定の模索は続けなくてはならないだろう。
そして、選定の条件としては、「安価で、丈夫で長持ちする」が必須となる。

なお、Smock,Combat,Windproof Desert DP や、
M-65(COAT,COLD WEATHER,FIELD,DESERT CAMOUFLAGE PATTERN)という外被の試用が始まったら、それぞれの実用性については、別の機会に記したい。


追記
3月16日の夜、強風が吹いた。「Windproof」効果を試したくて、Smock,Combat,Windproof Desert DP を着用してみた。Windproof の効果はなかった。
最寄のアメダスによると、風速は9~8m/sだった。
M-65 Field Jacket も着用してみたが、しっかりと、防風効果は体感できた。
防風効果の薄いSmock,Combat,Windproof Desert DP の、冬季のフィールドワークの外被としてのデビューはないかも知れない。


春の訪れ Primula kisoana

屋外が暖かかったので、放置状態の鉢を覗いた。冬の間、水遣りもせずに、放置状態にしていた鉢だが、変化を感じた。
その変化とは、薄茶色の枯れ残った葉の陰に小さな鶯色のものが見えたことである。

小さな鶯色のものは、Primula kisoana の新葉であった。
1年前の記事、「鉢の中の春の訪れ」の画像 1 と、画像 3 にひっそりと写っている小さな葉は一人前の形をしている。だが、本日のものは、まだ、一人前の形をしていない。



画像 1  鉢の中の Primula kisoana



今年は、2月には記録的な大雪が降り、かき寄せた日陰の雪が1箇月近く経っても融けきっていない。
そんな状態だから気温は低めのようである。
それでも、鉢の中の Primula kisoana は、眼に見える活動を始めていた。
小さな鶯色のものは、私にとって、「春の訪れ」と感じられた。



画像 2  Primula kisoana



今年こそは植え替えをしなければと思うが、腰痛の具合と、体調の具合との相談でどうなることやら。

野生のモモ観察記 01

2013年の3月の末、ちょっと時間が取れたので、近くのフィールドに遊びに出かけた。
帰路、白い花を付けた樹が目に付いた。夕刻ではあったが、初めての場所に足を踏み入れた。
枯れた草藪を踏み分けて辿り着くと花盛りであった。




画像 1  初めて見た白い花


初めて見た白い花。花弁の基部が細く、隙間から覗く萼の緑色が新鮮な感じがした。初めての花だが、バラ科の雰囲気があった。

普段の散歩道からはハリエンジュ(針槐)など木々の陰になり見えない場所である。脇から覗いたので目に付いたが、花が見えなかったら、気付くことはなかったかも知れない。
東京電力がばら撒いた放射能に汚染されているフィールドなので、特別の目的がなければ、あちこち足を踏み込みたくない。しかし、初めて見た白い花が印象的だったので、種名同定もあるので、観察樹として、フィールドワークのリストに加わった。
この辺りを訪れ始めて3年目。この場所はこの春からのフィールド。初めて見る樹木で、知る範囲ではこの1本しか存在しないようだ。

と、こんなきっかけがあり、秋の悲しい別れまでの観察が始まった。


タイトルに「野生のモモ」と表しているが、この地方には野生のモモは存在しない。厳密には、「野生化したモモ」ということになると思う。
その辺りのことも含めて、続きは別記事で順次記していくつもり。

逃げ出していたルコウソウ

ルコウソウ(縷紅草)という植物がある。
昨年、近所のお宅の花壇に咲いているのを見て、知ったばかりの植物である。
調べてみたら、Ipomoea 属の植物だった。



画像 1 ルコウソウ 

ルコウソウ(縷紅草)
ヒルガオ科サツマイモ属
Ipomoea quamoclit

葉は、ほぼ羽状で長細く分裂している。
花の色の表現は難しいが、実物は鮮やかな赤色。画像では、緋色。と、表現しておく。
和名では、同じヒルガオ科サツマイモ属のマルバルコウ(丸葉縷紅)・( Ipomoea coccinea )と似ているが、近いものだか、遠いものだか見当はつかない。



画像 2 葉と、葉腋の蕾 

帰化植物で、原産地は、いわゆる熱帯アメリカということになっている。Wikipediaにも、「アメリカ大陸の南米北部からメキシコにかけての熱帯地域が自生範囲」らしき記述があった(※ 1)。



画像 3 ルコウソウ・明日咲く蕾 

昨年は近所のお宅の花壇にあった。今年は、種子を蒔かなかったとみえて、姿が見えなかった。
9月になり、近所のお宅の、隣のお宅の生垣から、羽状の長細い葉を付けた蔓性のものが伸び出てきた。
本日、道端のスベリヒユの花が気になっていたので見に出掛けた。そしたら、ルコウソウが咲いていた。きっと、昨年の花壇から種子がこぼれて、逃げだしていったものであろう。
逃げたといっても、実際は、風に転がされながら移動したのであろう。
昨年は、ルコウソウを撮影しそびれていた。それなのでルコウソウを撮影してみた。花径は22mmほどだった。
緩やかな風にも揺れていたので、うまく撮れなかった。

ルコウソウをWebで調べると、花色は、赤色・ピンク・白色があるとのこと。もしかすると、園芸の世界でのことかも知れない。



画像 4 ルコウソウ 



画像 5 ルコウソウ 



画像 6 ルコウソウの葉と蕾 

蔓性の植物で、何かに絡んでいないので、微風にもよく揺れて撮影は辛かった。
2013年9月20日 近所のルコウソウを撮影した記録

※ 1
http://en.wikipedia.org/wiki/Ipomoea_quamoclit
Ipomoea quamoclit (cypress vine, cypressvine morning glory, cardinal creeper, cardinal vine, star glory or hummingbird vine) is a species of Ipomoea morning glory native to tropical regions of the New World from northern South America north to Mexico.



   ---   追記
9月25日のこと、隣町へ出掛ける機会があった。信号渋滞の車窓から、空き地で野生化している桃色のルコウソウを見た。この場所のルコウソウの花は、すべてが、桃色だった。

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