◇昨年の8月に蜻蛉観察と避暑を兼ねて訪れた山の湿地だが、予想していた通りでアキアカネ(秋茜)の越夏地でもあった。
涼しくて心地好い場所なので、不定期だが通い始めた。そして、アキアカネが下りきるまで観察を続けることにした。観察は10月5日のメスの単独産卵が終見だった(*1)。
今年はアキアカネに関しては初見から終見まで確認するつもりで気合を入れていた。そして、6月24日、アキアカネが登ってきているのを確認(撮影)できた。
1週前の6月17日にアキアカネらしいトンボ科の蜻蛉を目撃したが、撮影に至らず確認できていなかった。執念で粘れば撮影できたのかもしれないが、運がなかったのだろう。
アキアカネの羽化場所の野周りフィールドで6月16日が初見だったので、そんなに早く登ってこないという思い込みが強かったので執念深く確認することを怠ってしまった。
それと、アキアカネなら1匹だけでなく、複数匹は来ているのだろうから、滞在中に他の個体に出遭えるのであろうという甘い思い込みもあった。
1週前にそんなことがありトンボ科の蜻蛉を目撃し未確認のままにしたら、今回は明確に複数匹のアキアカネいたので、1週前の未確認が後悔になってしまった。
画像 1 アキアカネ ♀ 止まる直前、まだ脚を畳んで飛んでいる
画像 2 アキアカネ 止まり始め、足を伸ばして止まり始めた
画像 3 アキアカネ 全脚を使い止り、翅を下げた
画像1から3は4秒間の変化で、モデルのメスは同一個体。水滴の残る花柄に止まる様子が記録できた。画像1では目標物の直近まで脚を畳んで飛行。そして、画像2では目標物に到達して、脚を伸ばした。さらに、画像3が、いわゆる棹の先に止まる様子。
どうでもよいことだが、画像1、2にはアキアカネの目標物であった花柄に水滴が付いているが、画像3では水滴は写っていない。蜻蛉が止まった振動か重量で水滴は落下したのであろう。
なお、画像の右寄りに写る葉の水滴は変化がなかったようだ。
画像 4 アキアカネ 枝先に止まる ♀
画像 4 は別個体のメス。
画像 5 アキアカネ ♂
この山の湿地、昨年は8月から通い始めたので、梅雨時の6月の天気の様子は判らない。この日は、午前中は濃霧による視程障害の予報が出ていたが実際はさしたることがなかった。
当日の梅雨前線の位置から素人判断で出かけたのだが、途中の観察場所でオジロサナエ(尾白早苗)の羽化を観察してしまったので、山への到着は遅くなってしまった。
そして、霧の晴れ間に、既に登ってきていたアキアカネを確認でた次第であった。
時々霧に覆われていたが、霧も流れるのでアキアカネと、アキアカネ以外の不均翅亜目の探索を続けた。
霧の中で摂食飛行をする蜻蛉達は、恐らくはアキアカネなのだろうが、明確には確認できなかった。そんな時に、止まっているアキアカネのオスがいた(画像 5 )。
しかし、霧の中に雨滴が混じるようになり蜻蛉探索を断念せざるを得なくなった。
画像 6 アキアカネ ♂
戻り道、画像 5 のオスは同じ場所に止まっていた。
--- *1 高地に残留
アキアカネはすべてが里に下りるわけでなく、避暑地に残るものもいることが知られている。
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