◇2020年8月3日、若いコノシメトンボ(小熨斗目蜻蛉)の姿があった。
直前に山の湿地を訪れたのが7月20日。天候などの諸事情で2週空いてしまったが、ネキトンボ(根黄蜻蛉)に続いてコノシメトンボが登場していた。
コノシメトンボは、昨年(2019年)の8月10日から山の湿地へは通い始めた時には既に登場していて、10月の産卵まで確認した。それらのことによりこの湿地の定住蜻蛉と推測できた。
2020年は羽化の始まる日を確認するつもりでいたが、2週間のブランクの間に既に羽化が始まっていた。7月の下旬なのか、8月の上旬なのか、見極めは次シーズンの課題として引き継ぐしかなくなってしまった。
画像 1 コノシメトンボ 未成熟♀
画像 2 コノシメトンボ 未成熟♂
コノシメトンボはいわゆる赤とんぼの仲間。この山の湿地で見られるアキアカネ(秋茜)、ネキトンボ(根黄蜻蛉)の仲間で、トンボ科アカネ属の蜻蛉。
オスの場合、成熟するのに従い赤色に色付いてくる。
画像 3 8月14日、色付き始めてきたオス
8月14日に、色付き始めてきたオスがいた。成熟する頃には胸側までが赤色に色付く。なお、メスは色付かない。
--- 参考
コノシメトンボは同属のノシメトンボ(熨斗目蜻蛉)に比して若干小さいので「小熨斗目蜻蛉」と呼ぶそうだ。「ノシメ」は翅端の褐色斑が、「熨斗目」を連想したことによるという。
蜻蛉の世界では翅端の褐色部や黒褐色部を「ノシメ斑」と呼ぶ。マユタテアカネ(眉立茜)の一部のメス、リスアカネ(りす茜)などにもノシメ斑がある。
「熨斗目」と「熨斗」別物。熨斗(のし)は祝い物や進物で馴染み深いが、熨斗目(のしめ)は洋装の現在は何のことか理解しがたくなっている。
武士の裃などの下の着物・小袖の腰部分の色変わりなどの模様のこと。半世紀も前のナショナル時代劇、「大岡越前」のビデオでも見れば、一目瞭然。劇中の大岡忠相の小袖に熨斗目模様が目立っている。
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